第5回 毎日エクステンション・プログラム
「北京大学・サマーキャンパス2011」 <報告・8日目>

8日目 「西安碑林博物館」「青龍寺」「兵馬俑坑」見学&「修了式」兼「歓送会」

「北京大学サマーキャンパス2011」報告


午前8時40分、この日も気温27度前後の涼しい曇り空の朝で、一行は「西安碑林博物館」へと向かいました。石碑・墓碑・金石文・墓誌銘・石彫刻を多数収蔵、中国最大の石造の書庫とも称され、現在1万1000余点の文物が収蔵されており、国宝文物19点、1級文物272点があります。碑林には、1,000基程の石碑のほか、北魏・隋・唐代の墓誌300余点などが展示されています。この日の見学者は少なく、一行はガイドの艶さんの説明に耳を傾けながら、歴史上の有名な碑に刻まれた文字を興味深く観察していました。奥の建物では、拓本の採取が行われており、一行は興味深く見学していました。


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午前10時、次の見学予定地の「小雁塔・西安博物館」へと向かいました。「小雁塔」に向かう旧市街の道路は大きなプラタナスの街路樹に覆われ、まるでトンネルを潜るようにバスは進みました。ここでもバスは交通ルールを無視するように左折し、強引に「小雁塔」の狭い門を通り、駐車場に到着すると、何とこの日は火曜日で休館とのことでした。現地ガイドの艶さんは大慌ての様子でしたが、急遽、日本の仏教と関係深い「青龍寺」に行くこととし、電話で当日見学が可能かどうかを問い合わせたところ、幸いにも日本語のできる案内人がいるとのことでした。(ヤレヤレ!)


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「青龍寺」は唐の長安城内の新昌坊に位置している密教の有名な寺院です。唐の有名な高僧・恵果が主催していた寺院で、空海をはじめとする多くの日本の僧侶がここで仏法を学びました。特に、密教阿闍梨嗣を受け継いだ空海はここで密教を学び、紀元806年、帰国して日本で真言宗を創立しました。空海は仏教の教えとともに、中国の文学、書道、天文、医学などの知識を日本に伝えたことでも知られています。一行は女性案内人の説明を聞きながら境内を見学し、空海縁の地を感慨深く巡り、売店では空海関連の仏具や線香などをお土産に購入していました。

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午前11時半頃、「青龍寺」を後にした一行は世界文化遺産で有名な「兵馬俑坑」へと向かいました。西安から「兵馬俑坑」へは高速道路「西潼高速」を利用し、約30分で臨潼区の真新しい出口を降りました。道路は拡張工事中で新しい建物が立ち並び、如何にも観光収入で潤っているような市街地で、その一角にあるレストラン「秀嶺餐庁」での昼食となりました。観光コースの常設レストランのようで、2階のレストランには日本人の観光客の姿も見受けられ、一階は大型の土産物コーナーとなっていて、何故か兵馬俑坑の発見者として有名な老人・楊志発さんがカタログを買った人に愛想よくサインをしていました。(艶さんの話では彼が経営する店だそうです!)


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午後1時半、気温32℃の蒸し暑い中、一行は「兵馬俑坑」の駐車場に到着しました。世界に冠たる観光地の駐車場はまるで東京ディズニーランドの駐車場のように広く、観光バスや乗用車で溢れていました。ここでも駐車場から「兵馬俑坑」の入口までは順番にカートを利用しなければなりませんでした。

「兵馬俑坑」は、秦の始皇帝陵の一部として1987年に世界文化遺産に登録されました。一行は1号坑前での記念撮影後、観光客で超満員状態の入口へと進みました。東西230メートル、南北62メートル、深さ5メートルの坑道の中に見渡す限り千体もの兵士俑が並ぶ様に一行は圧倒されつつ、一行は夢中になって撮影していました。未発掘も含めると人馬合わせて九千体はあると言われており、現在も発掘作業が続いているとのことでした。大勢の観光客の流れに沿って、一行は一号坑から二号坑、三号坑へと進み、最後の「銅車馬展覧館」では、身動きできない位の混雑ぶりの中、至宝を前後左右から撮影していました。


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午後4時半過ぎ、一行は一旦ホテルへと戻り、「修了式」に備えた盛装での身支度をして午後6時、ホテルを出発。修了式の会場となる西安名物・餃子宴で有名なレストラン「徳發長」へと向かいました。1936年創業の餃子老舗店で、庶民料理の餃子を立派な料理に仕立てていることで知られています。餃子の具もいろいろで、一般的な野菜に豚肉から、一風かわった家鴨やナマコ、くるみなど種類も豊富でした。


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午後6時半、今回の「河西回廊の仏教遺跡を訪ねる旅」の最後を飾る「修了式」兼「歓送会」が、陝西省考古研究院の焦南峰先生を迎えて始まりました。最初に焦先生から日本の元気な熟年の考古学ファンに対する尊敬と感謝の挨拶があり、次いで随行員から杭侃教授に、今回の受講者全員から「開講式」での約束通り「北京大学・サマーキャンパス2011」の修了レポートが提出された旨、報告があり、受講者代表の最年長者の方に焦南峰先生から正式に「記念証書」が授与されました。杭侃教授からは今回の旅を振り返って、強行日程にも拘わらず、全員が無事に西安まで辿りついたことに対し、北京大学を代表して感謝の挨拶があった後、同行講師として大変お世話になった杭侃教授と稲畑教授への感謝の意を込めつつ、全員で度の強い白酒にて乾杯をしました。

宴が進むにつれ、各自の長旅の想い出話しに華が咲き、何回も、乾杯の声が上がっていました。途中、稲畑教授からは、今回の旅は走行総距離2,000キロメートルに及ぶバスと列車による陸路の旅でしたが、広大な中国大陸と五千年の中国歴史をそれぞれの身体で感じてもらうことに大きな意義がある旨の話があり、一行も納得顔をしていました。

宴が大いに盛り上がった頃、ガイドの劉建軍さんが突然、バースデーケーキを運んできました。受講者のお一人が翌31日の誕生日ということで、今回いろいろと問題のあった西安の旅行社の社長に頼んで、高級紹興酒とともに差し入れてもらったとのことでした。ご当人のご夫妻はこのハプニングに大喜びで、紙の冠に全員から記念のサインをしてもらっていました。午後9時、「修了式」兼「歓送会」は賑やかな内に終了し、お世話になった焦南峰先生とここでお別れの挨拶を交わし、一行は楽しい思いを胸にホテルに戻りました。


「北京大学サマーキャンパス2011」報告



 「北京大学・サマーキャンパス2011」 報告

報告 1日目 「開講式」&「歓迎会」

報告 2日目 敦煌「莫高窟」特別参観

報告 3日目 「漢長城」「玉門関」「陽関」&「鳴沙山」見学

報告 4日目 「楡林窟」&「嘉峪関」見学

報告 5日目 「伏羲廟」&「麦積山石窟」見学

報告 6日目 「宝鶏青銅器博物館」「法門寺博物館」&「乾陵」見学

報告 7日目 「陝西省考古研究院」「大雁塔」&「陝西省歴史博物館・唐代壁画珍品館」参観

報告 8日目 「西安碑林博物館」「青龍寺」「兵馬俑坑」見学&「修了式」兼「歓送会」

報告 9日目 帰国


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