第5回 毎日エクステンション・プログラム
「北京大学・サマーキャンパス2011」 <報告・7日目>

7日目 「陝西省考古研究院」「大雁塔」&「陝西省歴史博物館・唐代壁画珍品館」参観

陝西省考古研究院


午前8時半、気温27度の曇り空の朝、一行は身軽な身支度で「陝西省考古研究院」へと向かいました。西安市の旧市街は槐樹の街路樹に覆われ、大型バスは時折、驚いたことに垂れ下った枝を屋根に強引に擦りながら走行していました。通勤渋滞の中、まるで交通ルールを無視したようなUターンや右折、左折を繰り返し、ひやひやしながら、約30分で「陝西省考古研究院」に到着しました。


「北京大学サマーキャンパス2011」報告


旧市街地の一角に面した研究院では、前院長の焦南峰先生が一行を笑顔で出迎えてくれました。同研究院は北京大学考古文博学院との関係が深く、まだ一般公開されていない重要文物の修復風景を特別参観することができました。陳列ケースには一般の博物館では見られない玉を散りばめた黄金冠や帯等の至宝が飾られ、床には発掘されて間も無い生々しい兵馬俑など、土陶俑が所狭し、と立ち並んでいました。別の部屋では女性研究員達が唐代壁画の修復に慎重に取り組んでいる様子も窺い知ることができました。ここの文物は、いずれも未公開のため、本来は撮影禁止とのことでしたが、焦先生は何故か黙認してくれました。(カメラマンに似た焦先生、万歳!)


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午前10時、一行は焦先生達との記念撮影を済ませ、杭侃教授と稲畑教授と別行動で、河西回廊の終着地点である「大雁塔」へと向かいました。「大雁塔」の周辺一帯は整備され、入口付近では大勢の観光客と地元の記念撮影隊の勧誘で賑わっていました。一行は午前11時30分の集合を確認後、各自、広い「慈恩寺」の境台を進み、講堂前の大雄殿に安置された釈迦如来三身仏と十八羅漢等を見学しました。元気な若者組は、時間を気にしながら、30元の別料金を払って「大雁塔」の最上階まで登り、遥か西の彼方にある敦煌を思い出しながら、スモッグで霞む西安市の東西南北の景色を堪能しました。「大雁塔」の北側広場には音楽に合わせて踊る噴水公園があり、南側一帯は、唐代の建物をテーマにした大規模な街づくり「大塔不夜城」の建設工事が進められていました。



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正午前、「大雁塔」を後にした一行は、長安路に面したホテル「西安東方大酒店」での昼食となりました。西安での連泊とあってか、一行は心身ともにリフレッシュしたような気分での賑やかな昼食となりました。昼食後、年長者のお二人が午後からの博物館見学を取り止め、ホテルにてゆっくりしたい旨の申出があり、ガイドの劉さんに依頼してお二人をホテルまで案内してもらいました。


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午後1時半、一行は「陝西省歴史博物館」に到着。唐代の建築様式を取り入れた大規模な博物館で、収蔵点数37万点、そのうちの六千点が常時展示されています。原始社会から明の時代までの長い歴史を代表する貴重な文化財がここにまとまって収蔵されており、中国の五千年の歴史を一度に巡ることができます。特に注目を集めているのは本年6月に一般公開された「唐代壁画珍品館」で、300平方メートルの唐代の壁画から34枚を厳選して公開されていました。いずれも中国では最高級レベルに達しているもので、これらの壁画には宮廷生活や楽隊、儀仗隊、狩猟風景などが多彩に描かれていました。壁画は墓室の壁の1センチ前後の泥土や石灰質に描かれており、安定性がなく、出土後に風化や損傷を受けやすい。そのため、剥ぎ取って固め、倉庫に収められた後は、長い間、人数を限っての入室参観が許可されており、ほとんどの人は目にすることができませんでした。


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この日は墓室内を模した館内は何故か他に見学者もなく、今朝、「陝西省考古研究院」で壁画修復の様子を参観した一行にとっては、日本の高松塚古墳の壁画にも匹敵する貴重な壁画を目の当たりにし、1枚1枚の壁画に描かれた画面を食い入るようにじっくりと見学していました。


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この後、一行は現地ガイドの艶さんの案内で予定外の「陝西省地質鉱産実験研究所」を訪れ、中国の玉の鑑定方法を学びました。研究所内には翡翠など、宝飾品の売店もあり、一行は手頃な土産物を物色していました。

一旦、ホテルに戻り、午後6時30分、ロビーに再集合して夕食に出かけることになり、午後からホテルに戻っておられた年長者のお二人にも声をかけておきました。午後6時30分、一行はロビーに再集合し、“16名”の人数確認後、バスに乗り込みました。この時、想定外の“事件”が起こりました。実際は年長者のお一人を加えた“17名”だったのですが、午後の行動人数の“16名”との思い込みから、2人のガイドも随行員も気付かないまま、バスはホテルを出発してしまいました。暫くして、バス指定席の女性一人がいないことが判明し、ガイドの劉さんにタクシーでホテルに戻ってもらいました。幸いにもご当人はロビーに待機されており、無事、夕食のレストランに合流できました。(随行員としての度重なる失態に対し、重ね重ねお詫び申し上げます)


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一行は“置き去り事件”で、何かと落ち着かない夕食の上に、場所が唐代の舞踊劇場の中だったため、飲み物は別料金で、午後8時からの開演を控えた場内での大変慌ただしい夕食となってしまいました。西安は今年4月から6カ月間、「西安花博」が開催中で、この劇場にも大勢の外国人観光客が詰めかけていました。この後、劇場に残る5人を残し、一行はホテルに戻り、自由行動となりました。元気な若者組は明代の城壁巡りと称して、夜の西安の旧市街を散策したとのことでした。


 「北京大学・サマーキャンパス2011」 報告

報告 1日目 「開講式」&「歓迎会」

報告 2日目 敦煌「莫高窟」特別参観

報告 3日目 「漢長城」「玉門関」「陽関」&「鳴沙山」見学

報告 4日目 「楡林窟」&「嘉峪関」見学

報告 5日目 「伏羲廟」&「麦積山石窟」見学

報告 6日目 「宝鶏青銅器博物館」「法門寺博物館」&「乾陵」見学

報告 7日目 「陝西省考古研究院」「大雁塔」&「陝西省歴史博物館・唐代壁画珍品館」参観

報告 8日目 「西安碑林博物館」「青龍寺」「兵馬俑坑」見学&「修了式」兼「歓送会」

報告 9日目 帰国


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