「カトマンズ・弔問の旅」報告 (2010年3月17日〜21日)

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「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」催行中止の経緯

「毎日エクステンション・プログラム」の第二弾、仏教東進の足跡を求める「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」では当初、カトマンズの東郊外にあるチベット仏教ニンマ派のゴンパ(寺院)を訪問し、高僧ケーツン・サンポ師による特別法話を拝聴する予定でした。法話によって、チベット仏教の神髄に触れると同時に、チベット仏教各派の寺院やネパール仏教の寺院を訪ね、アジア仏教の実態を学ぶことにしていました。


ケーツン・サンポ師ケーツン・サンポ師は、1974年にカトマンズ東郊外のボダナートにニンマ派のゴンパ(Nyingmapa Wishfulfilling Center for Study and Practice)を創設されて以降、永年にわたって若い僧たちへの教育・生活・指導に携わってこられました。

1962年に初来日、東洋文庫の外国人研究員等として約10年間日本に滞在され、日本におけるチベット学研究に大きな足跡を残されました。

1983年には、日本で開催された「大チベット展」(主催・毎日新聞社、毎日コミュニケーションズ)の監修者として『ツクラカン―チベット密教の聖空間』の企画・制作に尽力され、多くの日本人に大きな感動を呼び起こしました。全国5か所で開催された「大チベット展」が終了した1985年以降も、ケーツン・サンポ師が主宰されるニンマ派ゴンパへの運営支援金が主催者側に寄せられる反響ぶりでした。


2001年3月、そうした支援金を最終的に献納するため、ボダナートから更に東郊に移設して間もない新しいゴンパを訪れた際、ケーツン・サンポ師は満面の笑みを浮かべて我々との再会を喜んでおられました。当時、新ゴンパの敷地の一部が豪雨で崩壊しており、支援金をその修復に当てたい旨、話しておられたのがとても印象的でした。

2009年11月中旬、現地の我々の友人がゴンパを訪問し、計画中の「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」に於いて、ケーツン・サンポ師の特別法話を拝聴したい旨、お願いしたところ、ご高齢にもかかわらず、われわれのゴンパ訪問を快諾していただき、懐かしい日本からの来客との再会を楽しみしている旨の暖かいメッセージをいただいておりました。

シェドゥプ・ドゥンジョリン寺

催行に向け、本格的な準備に入った同年12月下旬、師の訃報が現地カトマンズから飛び込んできました。突然の知らせに、関係者一同、驚きと悲しみにつつまれましたが、師は90歳のご高齢で、誠に残念ながら2009年12月6日に逝去されたとのことでした。

師の生前の恩義に感謝し、ご冥福をお祈りすると同時に「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」については急遽、自粛することとし、関係者による「カトマンズ・弔問の旅」に切り替えることにしました。

報告 友人S・サキャ氏からの現地情報

「カトマンズ・弔問の旅」 旅行日程 : 2010年3月17日〜21日 (4泊5日)

日次 日(曜日) 午前 午後 宿泊
1 3/17(水) CX(キャセイパシフィック)501便 成田10:45発 香港15:05着 KA(ドラゴン)128便
香港17:35発〜カトマンズ22:15着
カトマンズ泊@
2 3/18(木) 故ケーツン・サンポ師への弔問 チベット寺院の見学 カトマンズ泊A
3 3/19(金) 古都パタン・ネパール寺院の見学 ヒマラヤ連峰展望・ナガルコットへ ナガルコット泊
4 3/20(土) (自由時間) 古都バクタプル(バドガオン)の見学
KA127便  カトマンズ23:15発〜香港07:50着
(機内泊C)
5 3/21(日) CX504便  香港09:05発 成田14:05着  

旅行のご報告はこちら

報告 カトマンズの近況

報告 故ケーツン・サンポ師への弔問

報告 チベット寺院の見学

報告 古都パタン・ネパール寺院の見学

報告 ヒマラヤ連峰展望・ナガルコット

報告 古都バクタプル(バドガオン)見学




今回は、当初「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」として、高僧ケーツン・サンポ師による特別法話を拝聴するによってチベット仏教の真髄を学ぶ予定でしたが、師の急逝の知らせを受け、催行を自粛することとし、師の生前の恩義に対する感謝と同時に、ご冥福をお祈りするため、急遽、関係者による「カトマンズ・弔問の旅」に切り替えました。

師への弔問では、師の跡取りであるジグメ師と面談し、故ケーツン・サンポ師の教えを今後とも、機会があれば我々にご教示賜りたい旨、お願いしたところ、快諾を得ることができました。

また、友人のサキャ氏との因縁深い再会では、ご尊父の急逝という悲しみの中で実現し、弔問とともに、ネパール仏教での葬儀の慣習についていろいろ学ぶことができました。更に偶然ながらも、ネパールで最も影響力のある政治家・コイララ元首相の急逝にも巡り合い、悲痛に暮れる多くのネパール国民に対して、個人的ながら心の中で哀悼の意を捧げることができました。この短いカトマンズ滞在中に、3回もの弔意を示す機会に巡り合うとは思いもよらず、我々にとっては「カトマンズ・弔問の旅」に相応しい、密度の濃い旅になりました。

今回の貴重な経験を活かし、今後とも「聖地ヒマラヤの神々を訪ねる旅」を模索し、チベット仏教やネパール仏教など、アジアの活きた仏教を学ぶ機会を「毎日エクステンション・プログラム」の一環として提供させていただく所存ですので、どうか暖かいご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

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