アジア仏教に関心のある方々を対象に、仏教東進の足跡を巡る「毎日エクステンション・プログラム」の第4弾『青蔵鉄道で行く・聖地チベット視察の旅』は、2008年3月にラサで勃発したチベット暴動の影響や2010年12月の民主活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞の受賞問題、更には中東における反独裁・民主化の動きを受けた現地旅遊局が2月中旬になって、3月1日以降の当分の間、外国人に対する入域許可書を発給しない旨の通達を出したため、誠に残念ながらも催行を中止せざるを得なくなりました。このため、当初から3月のチベット行きは難しいとの情報を受け、予め若干名のグループツアーとして準備していたこともあって、急遽、方向転換し、『ブッダルートを巡る・インド仏跡視察の旅』として、同メンバー、同日程で催行する運びとなりました。今回のツアーでは、仏教発祥の地でありながら、現在ではほとんど消滅してしまったインドの仏教遺跡の現状と経済発展著しいインド社会の実態を垣間見るのが目的でした。
インドにおける仏教の弾圧は、5世紀頃に起き、13世紀までにインド国内の仏教はほぼ完全に一掃されました。しかし1956年、インド憲法の起草者の一人で初代法務大臣を務めたアンベードカルが死の直前に、自らと同じ50万人の不可触民と共に仏教徒に改宗し、インド仏教復興の運動が起こりました。アンベードカルの死後は、日本人僧の佐々井秀嶺師を含め、その志を継ぐ者が活動を続けています。
近年、ヒンドゥー教のカーストを嫌う不可触民や下層階級の人々がヒンドゥー教から仏教に改宗する動きがあり、2001年の国勢調査では、仏教徒は人口の0.8%(約800万人)に達しています。また、チベット仏教のダライ・ラマ14世がインド北部のダラムサーラにガンデンポタン(チベット亡命政府)を樹立していることから、亡命チベット人組織を中心にチベット仏教の小さな拠点にもなっています。(この項、『フリー百科事典・ウィキペディア』より引用)
行き先変更に伴う慌ただしい旅の準備期間ながらも、1980年に発刊された豪華写真集『印度』(毎日コミュニケーションズ発行)を主な参考資料としつつ、事前にインド仏教の歴史や四大聖地・八大聖地等の仏教遺跡について、にわか勉強を重ねていた出発間近の3月11日、東日本一帯で巨大地震が発生しました。東北地方の太平洋沿岸各地は大津波の影響で壊滅的な打撃を受ける一方、福島第一原子力発電所の想定外の事故発生で、東日本一帯が未曽有の危機状態に陥りました。3月16日の出発日までの間、この新たな事態を受け、関係者と催行について慎重に協議を重ねた結果、多くの犠牲者への弔いの思いを抱きつつ、当初の予定通りに催行することにしました。
出発当日の成田国際空港では、日本脱出を計る大勢のアジア系外国人で大混雑でしたが、何とか1時間遅れで出国することができました。現地のホテルでは、NHKワールドニュースをはじめ、地元テレビ局のニュース番組でも連日、福島原発の関連ニュースを流しており、津波の被害状況と刻々と拡がる放射能の被害状況を繰り返し報道しており、今回の震災への関心の深さを思い知らされました。
遠くインドの仏教聖地から、犠牲者への冥福と被災地の早期復興を祈りつつ巡った今回の『ブッダルートを巡る・インド仏跡視察の旅』が無事、終了しましたので、ここに謹んでご報告申し上げます。
日(曜日) | 食事・宿泊地 | |
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3/16(水) | 成田から航空機にてデリーへ 11:30 NRT-18:00 DEL/AI307(所用時間10時間) 到着後、ホテルへ 1日目のレポートはこちら |
-・機・機 デリー泊 |
3/17(木) | 国内機でパトナへ 6:45DEL-8:05PATNA/AI409 ■「クムラハ―ル」見学 午後 ヴァイシャリへ移動 ■「ヴァイシャリ」見学 見学後、パトナへ戻る 2日目のレポートはこちら |
機・昼・夕 パトナ泊 |
3/18(金) | ラジギ―ルへ移動 ■途中「ナーランダ僧院」を見学 ■「ラジギ―ル」(王舎城跡・竹林精舎)見学 3日目のレポートはこちら |
朝・昼・夕 ラジギール泊 |
3/19(土) | 早朝、軽登山 ■「ラジギ―ル」(霊鷲山) ブッダガヤへ移動 ■「ブッダガヤ」(スジャータ村・考古学博物館・マハーボディ寺院・日本寺等) 4日目のレポートはこちら |
朝・昼・夕 ブッダガヤ泊 |
3/20(日) | ベナレスへ移動 ■途中「サルナート」見学 ベナレスにて夕刻、ガンジス河ガートでヒンドゥー教のプージャ見学 5日目のレポートはこちら |
朝・昼・夕 ベレナス泊 |
3/21(月) | 早朝、沐浴見学 ■「ベナレス」見学(ヴィシュワナート・ドゥルガー寺院) 国内便でデリーへ 15:50:VARANASI-17:15DEL 6日目のレポートはこちら |
朝・昼・夕 デリー泊 |
3/22(火) | 終日、デリー ■デリー市内観光(国立博物館・フマユーン廟・クトゥブ・ミナール等) デリーから成田へ 21:10 DEL-08:00 NRT AI306 7日目のレポートはこちら |
朝・昼・機 機内泊 |
3/23(水) | 8:00成田着 到着後、解散 8日目のレポートはこちら |
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