07:30この日は早めの朝食を済ませ、気温30℃前後の蒸し暑い朝モヤの中、一行は長深高速を経由して、南へ約150キロメートルに位置する遵化市へと向かいました。バスは承徳市の険しい山岳地帯からやがて栗林が拡がる遵化市へと進んで行きました。遵化市は人口約70万人の河北省唐山市に位置する県級市で、ここでも都市改造中。北京からも比較的近く、郊外の丘には目新しリゾートマンション風の立派な建物が立ち並んでいました。
09:45バスは晴れ上がった、遵化市の南東郊外にある「清東陵」の駐車場に到着しました。気温は33℃の真夏状態で、ここでも広い駐車場からカートに乗ってからの見学でした。途中の参道脇には大きな像やラクダ等の動物や外国人使者の石像が延々と立ち並んでおり、壮大な敷地規模を誇っていました。
「清東陵」は清朝の歴代皇帝や皇后達の陵墓で、正式名称は「福陵」。順治帝の「孝陵」を中心に、康熙帝の「景陵」、乾隆帝の「裕陵」、咸豊帝の「定陵」、同治帝の「恵陵」等5人の皇帝の陵墓がある他、孝荘文皇后の「昭西陵」、東太后の「普祥峪・定東陵」、西太后の「普陀峪・定東陵」等の皇后陵や側室のための「妃園寝」等があります。河北省易県の清西陵とともに、2000年に世界文化遺産に登録されました。
一行は時間の都合上、最大規模の乾隆帝の「裕陵」と西太后の「定東陵」だけの見学となりました。両陵墓はともに立派な石の門がありましたが、1928年、国民党の軍閥によって墓室を暴かれ、徹底的な破壊と略奪を受けました。現在は修復されて墓室の中まで見学することができます。階段を降りて行くと墓室内は大勢の観光客で混んでいましたが、外部の暑さと違って地下の湿った冷えた空気のお陰で、比較的楽に見学できました。
13:10一行は「清東陵」を後に、西へ約35キロメートルにある天津市薊県に向かいました。薊県は人口約81万人の天津市最北部に位置する県で、天津市と北京市に近く、ベッドタウンとしての街づくりが盛んに進められていました。また、薊県は中国旅行社総社の責任者の出身地とのことで、その彼の推薦で薊県一という「漁陽賓館」のレストランでの昼食でした。ここでも新鮮な野菜を中心にした地元料理を堪能することができました。
14:30昼食を終えた一行は旧市街地のど真ん中にある「独楽寺」へと向かいました。独楽寺は隋の時代に建築が始まり、千年以上の歴史を持ち、中国最大の泥でできた仏像があることで知られています。観音閣は中国古代の代表的な木像建築で、殿内には高さ16メートルにもなる十一面観音像が置かれています。この観音塑像の他にも弥勒仏像と四怪僧像、東配殿内の文殊菩薩像、西配殿内の普賢菩薩像、大雄宝殿内の薬師仏像・釈迦牟尼像・阿弥陀仏像等の貴重な仏像群があります。観音閣の中は、有料でしたが殿内の急階段を登り、観音塑像の頭部を正面から後ろまでぐるり見学することができました。見学者は一行だけで、市街地の騒々しさに比べ、境内は静かな別天地のようでした。
15:00次いで、一行は徒歩で狭い胡同を300メートル程先に聳えている「白塔寺」に向かいました。入口前の道は古い仏具店が立ち並んでおり、道端ではお供え用の赤い紙幣を作っていました。1058年創建の禅寺で、白塔の高さは30.6メートルあり、修復時に地下宮殿から玉の涅槃像等の秘宝が発見されました。この禅寺に関する詳しいデータはありませんが、塔の裏側には僧坊があり、現役の僧侶が修業生活をしている模様でした。
15:40一行は「白塔寺」を後に、京津薊高速を経由し、薊県から西へ約110キロメートルの北京市に向かいました。夕日を追って進む高速道路は北京市に近づくにつれ、沿道には高層マンションや大型のショッピングセンターが立ち並び、車の数も次第に増え始めて、高速を降りた北京東郊外から市街地まで約30キロ地点で渋滞が始まりました。帰宅ラッシュにはまだ早い時間帯でしたが、最近の北京市内は車体番号別に偶数・奇数日に運転できない規制を敷いているものの、増加する一方の車に追いつかないとのことでした。
18:00バスはやがて北京市朝陽区に入り、午後6時前の帰宅ラッシュが始まる中、東城区の中国美術館横のレストラン「娃哈哈大酒店」に到着しました。「娃哈哈大酒店」では、同行講師の丁勇先生を囲んで賑やかな「修了式」兼「歓送会」が行われました。
先ずは今回、臨時に同行講師をしていただいた丁勇先生に対して、次いで走行総距離1,700キロメートルに及ぶ長距離運転の運転手さんに対し、一行は感謝の意を込めて全員で乾杯をしました。「修了式」に当り、事前にアンケート・レポートの提出を義務付けられていた受講生の皆さんは、ホテルに戻ってからの提出でOKということになって一安心。丁勇先生から今回の「草原の王朝遺蹟を巡る旅」を無事クリアした証しとして、一人一人に『修了書』が授与されて、一行は大喜びでした。丁先生は翌朝早く、内モンゴル自治区のフフホト市へ戻られることから、この夜が最後のお別れとなりました。丁勇先生からは、受講生の皆さんが次回、フフホト市を訪問されれば、地元の強い白酒で熱烈歓迎する旨のお話があり、またまた乾杯。ツアー最後の夜とあって、美味な江蘇料理とともに一行の酒量はいつもより増え、あっと言う間に高級白酒3本が空になりました。万歳!
2日目 「居庸関」「鶏鳴駅城」「宣化古城」&「下八里遼墓壁画群」
5日目 「朝陽市北塔博物館」「朝陽博物館」&「牛河梁紅山文化遺蹟」
7日目 「清東陵」&「独楽寺」「白塔寺」
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