東日本大震災の影響で、関東一円の交通網が大幅に遮断されたことを受け、一行は「東横イン成田空港」に前泊し、翌16日の出発に備えました。
3月16日、念のため、集合予定時間の1時間前、午前8時半にエアーインディアのカウンターに赴いたところ、既に日本脱出を計るインド人家族や日本人観光客等で長蛇の列ができていました。やがて搭乗手続きが始まりましたが、どのカウンターも預託荷物の重量オーバー等で手間取っており、自分たちの順番が来るまでに2時間近くも要しました。ともかく急いで搭乗ゲートまで赴くと、今度は何やらビジネスマンらしきインド人が搭乗ゲートでの度重なるボディーチェックに怒りを爆発させ、空港係官と大もめにもめていました。一方では変なインド人の酔っ払いが奇声をあげており、早くも異文化の雰囲気が漂っていました。
午前11時30分発のAI307便は、震災の影響によるジェット燃料不足なのか、デリー直行から香港経由に変更され、午後1時近くになって、やっとの思いで機は離陸しました。機内は多くの家族連れでほぼ満席状態でしたが、カリー味の機内食が配られる頃には、どの顔も震災の恐怖から逃れてきた安堵感で満ち溢れている様子でした。香港ではジェット燃料と機内食の補給が行われた模様ですが、わずか1時間程で離陸しました。デリーとの時差は3時間半、当初のデリー直行予定では現地時間の午後6時に到着するところ、更に3時間半遅れの午後9時30分に、デリー南西郊外に位置する真新しい「インディラ・ガンディー国際空港」に到着しました。何と日本を出発して約12時間の空の長旅となりました。
入国審査を終え、到着口に急ぐと、顔見知りの西遊旅行社デリー駐在員が他の団体の出迎えに来ており、早速、日本語ガイドのギャネンドラ・シンさんを紹介されました。空港ビルの内外は大幅に遅延してきたAI307便の客待ちでごった返しており、出迎えの乗用車に乗るまでは一苦労でした。気温は30度近い真夏の暑さで、空港周辺のグリーンベルトや関連の施設はまだまだ未完成状態で、インドの経済発展は端緒についたばかりといった印象でした。一行はまだ真新しい高速道路をニューデリー市内の西はずれに位置する「ホテル・メトロ・ハイツ」へと向かいました。高速道路に沿って完成したばかりという地下鉄の高架線路が続いており、高速道路から一般道路に進むと、道路の両わき一帯は公園のような緑地帯が拡がっており、ロータリーではオートバイに混じってタタやスズキの小型車がやたら多く見受けられました。
薄暗い裏道の一角にビジネス風ホテルがあり、一行は遅いチェックインを済ませました。翌日早朝のパトナ行きに備えて、午前4時15分にモーニングコールを依頼し、一人部屋ではNHKワールドニュースを見た後、バスタブのない生ぬるいシャワーで長旅の疲れを癒し、天上の扇風機の風にあたりながら、早々に就寝しました。
1日目 デリー到着
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