ツアー最後の日は、気温30℃前後の快晴の朝でした。午前7時半、帰国準備を済ませた一行は早々にチェックアウトし、世界遺産の「コロンス島」へと向かいました。島へはフェリーの利用で約30分。乗船場は前夜のレストランのある漁港で、早朝から待合ホールは国慶節前の大勢の観光客で大賑わいでした。
待ち時間の間、ホールの一角には厦門島の歴史を紹介するコーナーがあり、現地ガイドの蘇秀齢さんの解説を聞きながら出発案内を待ちました。やがて乗船案内があり、先を争うようにフェリーに乗り込むと、2階デッキは既に満席状態。常夏のような汗ばむ中を一行は名所の数々を蘇秀齢さんの跡を追って島巡りをしました。コロンス島は新中国の成立前に租界地に定められ、日本を含む列強各国が領事館を開設し、「万国建築の博物館」とも呼ばれ、単位面積当たりのピアノ保有台数は中国一のため「ピアノ島」とも呼ばれています。
正午過ぎ、急ぎ足でコロンス島の観光巡りを終えた一行は帰国のため、「厦門高崎国際空港」へと向かました。空港に到着した所で、ガイドの蘇秀齢さんと運転手さんにお礼を言ってお別れをしました。ここでもオンラインチェックインで搭乗手続きを済ませており、直接ANAカウンターでスーツケースを預けました。出境ゲート前では、コロンス島では一時行方不明でしたが、今回は“だいたい真面目”だった李ジュンさんと“子作り”に励む路国権先生と、7日間に渡る同行に感謝しつつのお別れとなりました。機会がありましたら、来年またお会いしましょう。
順調に出境手続きを終えた一行は、空港内で土産物を物色しながら、NH936便の搭乗案内を待ちました。台湾に接近中の台風の影響が心配されましたが、午後3時、機は定刻より少し遅れて離陸し、一時的に揺れを感じながらも午後7時15分、無事、成田国際空港に到着。各自、スーツケースをピックアップした所で再会を期しての解散となりました。
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今回の福建省を舞台にした6泊7日の考古学ツアーでは、北京大学の徐天進先生、山東大学の路国権先生の同行を始め、福建省文物考古研究所の楼建龍所長及び福建省の考古学関係者の皆さんの絶大なご支援・ご協力により、中国南方域に栄えた旧・新石器時代の多彩な遺物から、春秋戦国期の閩越王期、更には南宋期の建窯遺跡までの多種多様な文物を目の当たりにすることができ、福建省の古代文明の奥深さとともに、中国文明の多様性を今回も改めて学ぶことができました。特に、徐先生の御威光により「天目茶碗」の再現・研究に携われている孫建興老師の工房で熱烈歓迎していただいたこと、閩北の私設博物館での古陶瓷類に直接手に触れることができたことは想定以上の貴重な体験となりました。
楼建龍所長を始め、福建省各地の古代遺跡及び博物館関係の先生方には、この紙面をお借りして心より感謝申し上げます。また、今回のツアー催行に当たってご助言・ご尽力を賜りました徐天進先生には、想定外の武夷山での中国式茶席文化に触れさせていただき、改めて心より御礼申し上げます。
こうした民間レベルでの日中文化交流が今後とも継続・発展することを切に願いつつ、今回の報告とさせていただきます。尚、筆者の記憶違いによる事実誤認、旅先での不行き届きな点が多々あったことと存じますが、何卒、ご容赦下さいますようお願い申し上げるとともに、当報告書が参加者の皆さんにとって懐かしい想い出の一助になれば幸いです。
(文責:郡山/写真:中北・郡山)
7日目 「コロンス島」& 出国・帰国
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