この日も気温30度前後の曇り空の朝。帰国日とあって、一行は各自、早めにチェックアウトを済ませ、午前8時15分に杭州東駅へと向かいました。新幹線の駅では、空港と同じ厳しい手荷物検査が行われており、既に大勢の乗客が列を作っていました。今回の総走行距離約700kmに及んだ運転手と現地ガイドの洪さんとはここでのお別れとなりました。初日の往路はトラブル続きで難儀したことから、劉さんの先導でこの日は早め早めに移動し、人混みを避けて上海行きのホームへと急ぎました。
午前9時21分、G7504列車は定刻通り発車しました。往路は想定外の豪華なビジネス席でしたが、復路は一等席で日本の新幹線のグリーン車と同じ横二席、二席でした。指定席に落ち着いた一行は、龍井村で購入したロンジン茶と同じものが駅の売店ではかなり高い値段で売っていたとか、劉さんの娘さんの話題等で話が弾んでいました。
午前10時13分、列車は定刻通りに上海・虹橋駅に到着しました。浦東国際空港での帰国便の時間が迫っていたことから、一行は往路で苦労した虹橋空港のリムジンバス乗り場まで徒歩で急ぐつもりでしたが、劉さんの機転で電動カートを利用することになり、一安心。リムジンバスにも順調に乗ることができ、午前11時半に無事、浦東国際空港に到着しました。バスは関西空港行のJL894便が出発する第1ターミナルに先着し、ここで関西からの女史と北京に国内便で戻られる劉さんとは再会を期してのお別れとなりました。
成田空港組はリムジンの終点・第2ターミナルに到着し、出発前の日本で浦東国際空港では3時間前からの搭乗を促しているとの情報があったので、急いでANAの搭乗手続きカウンターに行きましたが、何とガラ透き状態で直ぐに手続きを終えることができました。出国審査はさすがに内外の客で大混雑。長蛇の順番待ちでしたが、何とか無事、出国審査をパスして、各自、免税店での土産物等を物色したりして、搭乗案内を待ちました。
やがて搭乗案内があり、ほぼ満席のNH920便は発着便混雑のため、1時間程待機させられ、14:05の離陸でした。機は順調に飛行を続け、機内では久しぶりの日本のビールを味わいながら、機内映画を鑑賞したりして過ごしました。午後5時20分、機は定刻より約30分遅れで、雨降る成田国際空港に到着しました。気温は23度前後の涼し過ぎる夕刻でした。
関空着の女史からもJAL便はほぼ定刻通り到着し、帰宅に向かっている旨の着信メールがあり、こうして今回の「稲作のルーツ&南宋文化の粋を訪ねる旅」は無事終了しました。
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今回の浙江省を舞台にした5泊6日の考古学ツアーでは、初対面の孫国平先生が受け入れ体制を準備していただきました。当初、心配された一行の考古学ツアーでの遺跡や博物館での受け入れは、孫先生をはじめとする浙江省文物考古研究所の先生方の絶大なご支援・ご協力のお陰で、中国新石器時代の文明と世界屈指の南宋文化の多種多様な逸品に触れることができ、改めて中国考古学の奥深さを学ぶことができました。今回お世話になった孫先生をはじめ浙江省文物考古研究所の先生方には、この紙面をお借りして心より感謝申し上げると同時に、今回のツアー催行に当たってご尽力を賜りました北京大学考古文博学院の徐天進先生に対しても心より御礼申し上げます。こうした民間レベルでの日中文化交流が今後とも復活・発展することを願いつつ、今回の報告とさせていただきます。
尚、筆者の記憶違いによる事実誤認、旅先での不行き届きな点が多々あったことと存じますが、何卒、ご容赦下さいますようお願い申し上げるとともに、当報告書が参加者の皆さんの懐かしい想い出の一助になれば幸いです。
(文責:郡山/写真:相良)
6日目 上海移動&出境・帰国
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