「陝西省西安・考古工作視察の旅」＜報告1日目＞

毎日エクステンション・プログラム
「陝西省西安・考古工作視察の旅」＜報告・1日目＞

＜1日目＞　10/21　出国＆「中国国家博物館」特別見学

出発日の東京は、曇り空のやや肌寒い朝となりました。集合時間の午前8時、羽田空港国際線ターミナルに筆者を含めた5名が元気な姿で集合し、互いに2年ぶりの再会の挨拶を交わし、早々に搭乗・出国手続きを済ませました。出発までの時間、各自、買い物等を済ませた後、北京行き9：25発のHN1255便の搭乗案内を待ちました。この間、関西空港10：00発のNH159便で単独参加される女史と連絡を取り、無事、搭乗・出国手続きが済んだことを確認しました。こうして全員6名が北京に向かって出発する運びとなりました。

ボーイング787の機内は、ほぼ満席状態で定刻よりもやや遅れての離陸でしたが、順調に飛行を続けました。機中では映画を鑑賞したり、仮眠を取ったりしている内に約4時間が経過し、到着予定時間より早めに、気温13℃の「北京首都国際空港」に到着しました。到着ゲートから広い空港内の通路を入国審査へと進むと既に長蛇の列ができており、厳重な審査で約30分も待たされ、やっとの思いで全員、無事入国手続きを終えました。

無人シャトルを経て各自、スーツケースをピックアップし、大勢の出迎えで混雑する中、全線ガイドの劉建軍さんが手を振りながら笑顔で出迎えてくれました。関西空港からの女史が既に到着済みのはずが見当たらず、辺りを見渡すと少し離れたところで発見。ここで改めて劉さんを含め、2年ぶりの再会を喜び合いました。

午後1時過ぎ、青空がのぞく薄曇りの北京空港を出発。心配されたスモッグも気にならず、ポプラ並木の高速道路を10人乗りのワゴン車は快走し始め、北京市内の三環路南東に位置する「京瑞温泉国際酒店」へと向かいました。しかし、北京市内に近づくにつれて次第に渋滞が酷くなり、三環路に入る頃には既に午後2時近くになっていました。

集合写真

この日の午後は一旦、ホテルでチェックインを済ませた後、中国古代の予備知識を得るために「中国国家博物館」を見学することにしていました。しかし、予想以上の渋滞で急遽、午後3時待ち合わせの「中国国家博物館」へと直行することにしました。30分ほど早い到着でしたが、博物館北門前には今回お世話になった筆者の友人とその友人で同博物館研究員・李嶸さんが待ち構えておられ、挨拶と記念撮影の後、VIP専用の裏門から入場し、李さんの特別解説付きの案内で「古代中国」の展示場を見学して回りました。精選された一級収蔵品が「上古時代」「夏・商・西周時代」「春秋・戦国時代」「秦・漢時代」「三国・両晋・南北朝時代」「隋・唐・五代時期」「遼・宋・夏・金・元時代」「明・清時代」の八ブースに分けて展示してあり、一行は特に西安で視察予定の「秦・漢時代」を始め、商、西周、春秋・戦国時代の文物に関心を持ちつつ、李さんの解説に耳を傾けていました。

中国国家博物館

午後5時の閉館時間が迫り、一行はお二人とともに、北京ダックが味わえる朝陽区のレストラン「金鴨都烤鴨店」へと向かいました。丁度、夕方のラッシュアワーと重なり、レストランに到着した時は午後6時近くになっていました。今回の特別見学の御礼を兼ねてお二人を夕食会に招待したもので、運転手さんを含めた中国初日の夜は、総勢10名での和やかな宴となりました。

宴席では国家博物館と地方博物館との関係や運営等についての質問があり、現在は一行が思っているほど、国家博物館の権力は強くなく、貴重な発掘調査等は現地の地方博物館との共同作業になる場合が多く、発掘された貴重な文物については地方博物館が手放さないとのことでした。また、李さんは陝西省での考古研究の経験もあり、焦南峰先生達のこともよく知っているとのことで宴は盛り上がり、日中の考古愛好者同士の賑やかな楽しい宴となりました。午後7時半、翌日の早い起床に備えて一行は惜しみながらも第一日目の宴はお開きとなり、午後8時過ぎ、「京瑞温泉国際酒店」にチェックインしました。