毎日エクステンション・プログラム
「四川省の古代遺跡を訪ねる旅」 <報告・5日目>

<5日目> 9月10日 「楽山遊覧」「楽山大仏」&「麻浩崖墓」

成都高新豪生大酒店


この日も天気は朝から晴れ模様で、気温30℃前後の真夏日となりました。午前8時半過ぎ、一行は暑さ対策の身軽な姿で、成都市内から南へ約120km離れた楽山市郊外にある「楽山大仏」へと向かいました。

しばらくすると、高速道路の右側に最近オープンした世界最大の面積を誇る複合施設「新世紀環球中心」が見えてきました。オフィスはもとより、5星級のホテルが二棟、 14スクリーンの映画館、ショッピングセンター、オリンピック会場級のアイススケート場、地中海風の住宅、大学等がこの建物の中にあり、特にユニークな観光スポットとして、ウォーターパーク「パラダイス・ アイランド」という施設があり、全長400mに及ぶ海岸とビーチが再現されているとのことでした。中国内陸部の発展ぶりを象徴する施設です。


世紀環球中心


途中、眉山区のサービスエリアでの小休息後、午前10時半頃、高速道路から降りて楽山市内へと進んで行きました。熱帯風の街路樹に包まれた楽山市内は想像以上に大きな都市で、高層のマンションやオフィスビルが建ち並んでおり、「楽山遊覧」乗り場へ行く道は狭くて大渋滞でした。楽山市は長江水系の岷江に大渡河と青衣江が合流する場所で、丘陵地帯が主ですが、市西南部は山地、川沿いは沖積平野となっています。



楽山遊覧


一行は先ず、岷江岸の「楽山遊覧」乗り場へと向かいました。何隻もの遊覧船が随時、対岸に聳える「楽山大仏」を見上げる岷江と大渡河の合流域に向かって行き交っていました。ライフジャケットを身につけた一行は、船上からモヤに包まれたような巨大な大仏を見上げながら参拝しました。劉さんの話ではモヤではなく、参拝客の線香とのことで、大仏の左側にあるジグザク状の階段「九曲桟道」からは列をなして大仏の足元に降りる参拝客の姿がまるでアリの行列のように小さく見えました。

1996年に峨眉山と一緒に世界文化遺産と自然遺産に登録された「楽山大仏」は弥勒菩薩の磨崖仏で、全体の高さ71m、頭部長さ14.7m、頭部の直径10m、首長さ3m、耳長さ7m、指8.3m、足の長さ11m、幅9mとのことで、タリバンに破壊された55mの「バミヤン大仏」よりも高い仏像です。この大仏が彫られた凌雲山は3つの河の合流点に位置しており、昔から河の流れが急で往来する船にとっては大きな危険地帯でした。数多い商船と客船が楽山大仏手前の三江合流点を通る時、よく難波が起こり、船の沈没事件が絶えずに発生していました。紀元713年、唐の則天武后時代の末期、凌雲山で修行していた海通和尚はこの三江合流点には悪龍がいるから船がよく沈没すると考え、その悪龍を追い払い、衆生を災難から救い出すために仏像を造り、悪龍を鎮めようと考えました。同年、海通和尚の主催で三江合流点に位置している凌雲山で巨大な仏像造営工事が着工されましたが、あまりにも大規模な工事なので、紀元803年、工事着工の90年後にやっと完成しました。造像中、三江合流点の河床に捨てられた沢山の岩石が河の流れを緩やかにさせ、三江合流点での船の沈没事件がその後、無くなったと伝えられています。


楽山大仏



遊覧船からの見学を終えた一行は乗り場近くのレストラン「徐林黄燜鳩」での昼食タイムとなりました。涼しかった遊覧船から降りると気温は34℃前後の猛暑となっていました。早速、冷たい軽いビールで乾杯し、楽山の郷土料理を味わいました。


午後1時半、昼食を終えた一行は岷江の大橋を渡り、「楽山大仏」のある凌雲山へと向かいました。世界遺産とあってか、駐車場からは内外の観光客が列をなして入場門まで連なっており、張さんは90元の入場券を買うのに一苦労していました。一行は休み休みながら途中の経文や磨崖仏を見学しながら長い階段を登って行くと、大仏の頭部の高さにある「凌雲寺」の境内に到着しました。何とそこは、まるで遊園地の順番待ちのような数時間待ちの行列ができていました。大仏の足元まで降りていく「九曲桟道」の列で、遊覧船からはアリのように見えた行列でした。


楽山大仏

楽山大仏


一行は足元からの大仏参拝を諦め、大仏の背後にある「凌雲寺」の境内で一休み後、大仏頭部の後方を周り、間近でご尊顔を拝することにしました。完成当時の大仏は「大仏像閣」と称する13層の木造の建造物に覆われ、法衣には金箔、胴には朱色が塗られていたとのことです。また、湧水を外に逃がすための排水溝、そして雨水を効率よく逃す溝が掘られていましたが、明代末期に建物は焼失し、大仏も風雨に晒されて色が落ち、雑草に覆われていったとのことです。その後、何度か修復され、現在に至っています。

その世界遺産の大仏様の頭部の螺髪に、小鳥の糞のような白い物体が目に飛び込んできました。何と“ドローン”が恐れ多くも大仏様の頭部に引っ掛かっていたのですが、ほとんどの参拝客は気づかない様子でした。


楽山大仏


次に、一行は大仏の脇にある「海師洞」を見学しました。大仏建立を主催した海通和尚の座禅修行の場で、大仏造営中は寝起きしていたとのことです。洞の入口には海通和尚の塑像と解説の碑が立てられおり、洞の内部は暗闇の質素な狭い部屋となっていました。

続いて、一行は近くの高台にある涼しい“東屋”で小休憩しました。眼下に見下ろす眺めは、岷江の深緑の流れに対し、土砂で濁った黄土色の大渡江がぶつかり合い、その激流の色の違いで、両川の合流する様子がはっきりと見分ける事ができました。


海師洞


大仏脇の急な林道の階段を下りて行くと、竹林に覆われた土塀囲いの「碑林」が見えてきました。蜀・眉山出身で北宋時代の著名な詩人の蘇東坡を始め、四川省出身の近代文学者・郭沫若や毛沢東等の著名人の碑が多数立ち並んでいました。更に林道を進んで行くと、13世紀半ばに元軍に抵抗するために建てられたという「三亀九頂城」の砲台跡や「漁村」と名付けられた古風な商店街が現われました。一行はそこで王先生の薦めで “豆花”という豆腐餅の入った甘いシロップ味の氷水を口に、吹き出る汗を拭いました。



拾伍味小川菜館


案内標識には「漁村特色餐飲区」と掲げられた「漁村」を通り向けると、右手の青衣江には唐代に建立されたという禅宗の「烏尤寺」へと続く風情ある橋が架かっており、左手先には「麻浩崖墓」の入り口がありました。一行は時間の都合から「麻浩崖墓」を見学することにしました。ここは東漢時代の磨崖墓で、境内に入ると崖の手前に石棺が置かれており、石棺の側面には竜虎に載った西王母の像が刻まれています。崖には洞窟が4つ並んでいて、洞窟の奥には発掘当時を再現した副葬品等が置かれていました。境内脇に小さな展示館もあって、西王母像や踊る人等の俑も一部展示してありました。


麻浩崖墓

麻浩崖墓


午後4時過ぎ、楽山大仏風景区の険しい林道を降り下った所にある駐車場の木陰でマイクロバスを待っていると、運転手の張さんが笑顔で運転しながら近づいてきました。バスに乗り込んだ一行は疲れた身体を休めながら、劉さんが昼食後にレストラン前の土産物売りから買った横笛を試しに吹き始めると、前日の「錦里古街」で手に入れた中国楽器やオカリナのような陶笛や玩具のカタカタ等で賑やかな合奏となり、車中は大笑いでした。

しばらくして劉さんが真剣な顔をして、「麻浩崖墓」の休憩場で大事なカメラを置き忘れてきたとのことで、半ば諦めた様子でした。しかし、一行が帰国後、劉さんからのメールで、無事、楽山の警察署に届けられていたと現地ガイドの張さんから連絡があったとの嬉しい便りがありました。



夕食


午後6時半、ホテルに戻った一行は一旦、部屋に戻り、身支度をしてホテル2階にある「龍華」とかいうレストランでの「歓送夕食会」に臨みました。宴会場には既に高院長に代わって、四川省文物考古研究院副院長の周科貨先生を始め、男性研究員で北京大学出身の徐建先生と李飛先生、そして今回大変お世話になった秘書役の謝さんと王先生の5人が笑顔で出迎えてくれました。

先ずは、4日間に渡る成都訪問の旅が無事、終了したことを祝しての乾杯があり、周科貨副院長からは、今回の四川省の古代遺跡に対する一行の熱心な学習ぶりに感心する挨拶があり、四川省の考古学は発展途上で、今後ますます発展する可能性がある旨の話がありました。これに対し、一行からは今回の成都訪問で、黄河文明や長江文明と明らかに異なる古蜀文明の遺跡や貴重な文物を見学し、中国古代文明の多様性を改めて学ぶことができたとともに、古蜀文化の秘められた謎への関心が一段と高まり、今後、三星堆一号坑、二号坑に次いで三号坑または古蜀大王墓が発見された際には、いち早くご連絡をいただきたく、再び成都を訪問したい旨の話に大いに盛り上がりました。宴は最後の四川料理を味わいながら、周科貨副院長に一行のこれまでの中国考古学ツアー体験を紹介し、来夏は西夏文字を制定した西夏王朝を訪ねる甘粛省・寧夏回族自治区を訪問したいとの話に対し、周副院長は、丁度「金沙遺跡博物館」で「湖北九連墩楚墓」の特別展が開催中とあってか、巴蜀文化と楚文化の重要拠点である「湖北省」の古代遺跡を推薦するとのことでした。

最後に四川省文物考古研究院の高大倫院長を始め、周科貨副院長、研究院の先生方の暖かい歓迎ぶりに感謝するとともに、この4日間に渡って一行に同行していただき、いろいろとお世話になった王先生及び旦那様に対して一行から改めて感謝の意が伝えられ、午後9時過ぎ、「歓送夕食会」はお開きとなりました。


集合





 「四川省の古代遺跡を訪ねる旅」 報告

報告 1日目 出国・入国

報告 2日目 「特別講義」「金沙遺跡博物館」&「歓迎夕食会」

報告 3日目 「四川博物院」「パンダ繁育研究基地」&「三星堆遺跡」

報告 4日目 「成都博物館」&「永陵博物館」「成都武候祠」

報告 5日目 「楽山遊覧」「楽山大仏」&「麻浩崖墓」

報告 6日目 出境・帰国


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