毎日エクステンション・プログラム
「山東省の古代遺跡を訪ねる旅」 <報告・5日目>

<5日目> 9月28日 「斉文化博物館」「斉国故排水道遺址」「殉場坑遺址」

ホテル

この日は気温24℃前後の薄曇りの天気。各自、午前6時半からの朝食を済ませましたが、大勢の団体客が列をなし、遅れてきた一部の方はバイキング料理が殆ど無かったとのことでした。一行は出発時間に合わせてチェックアウトをし、この日も最後に登場の李ジュンさんを待って車に乗り込みました。午前8時40分、ホテルを出発し、大公湖北岸にある「斉都文化城」へと向かいました。臨淄は春秋戦国時代の斉の都で、車窓から見る街並は古い建物が立ち並び、古都の雰囲気のある落ち着いた街でした。「斉都文化城」は広大な敷地の総合文化センターのようで、「斉文化博物館」の他に、立派な「足球博物館」もありました。サッカーファンにとってはサッカー発祥の地として知られています。

斉文化博物館


午前9時、公園の木立を潜り抜けると、荘厳な「斉文化博物館」の建物がありました。早速、呉先生の案内で、古代の先斉文化から始まり、西周代で発展し、春秋戦国期で繁栄し、秦漢代まで延々と続いた斉文化の貴重な文物を見学して回りました。入口の広々としたロビーには、斉の功臣・太公望の大きな銅板が吊るされ、頭上に「大鵬展翼」(注:鷲のような大鳥が天下を支配し、発展する象徴)をかざした太公望の大きな銅像が誇らしげに設置されていました。広い展示館内には、これまでにも見学してきた新石器時代の「大汶口文化」「龍山文化」「岳石文化」の玉器や紅陶器、黒陶器類から、商周代の青銅器類、更には春秋戦国期の武具類等、多種多様な文物が所狭し、と陳列してありました。

斉文化博物館

斉文化博物館


午後0時過ぎ、博物館を出発した一行は、次の目的地へ向かう途中、臨淄区北部にある「老孫家菜館」という素朴なレストランでの昼食となりました。同じ魯菜と言われる山東料理でも土地によって味付けの濃淡があり、早速、水替わりの薄いビールで乾杯し、古代と現代の母系社会等を話題にしつつ、やや濃い目の郷土料理を味わいました。

昼食


午後1時半、昼食を終えた一行は「斉国故城排水道遺跡」へと向かいました。「斉国故城」は臨淄区斎都鎮にあり、周代の都として栄えました。城門は13もあり、道路が縦横に交錯し、用水、排水、防御設備が整理され、製鉄、製鋼、貨幣の鋳造等、数多くの作業遺跡も発見されています。一行は現地スタッフの案内で、故城の水系分布図で排水道遺跡の位置を確認した上で、遺跡の敷地内へと進み、石組みの排水道遺跡の入・排水口を見学しました。

斉国故城


次に一行は斉国故城の東北に位置する「臨淄東周墓殉場坑」へと向かいました。斉国の25代目の君主・斉景公墓の副葬として馬が600匹以上も葬られている殉場坑で、中国建国後の重要な考古学的発見とされた当時、「東方の奇観」とも言われました。春秋戦国時代の車馬は現在の戦車や戦闘機に匹敵する兵器で、物量で強国を誇示するために多くの馬が殉死させられました。現在、重機を使って展示館の拡張工事中で、隣接地には斉景公墓室が再現されており、ここでも周辺農家の立ち退きを伴う「斉景公殉馬坑遺跡公園」を造営中でした。

殉場坑

殉場坑


続いて一行は、済南−青島高速道路の工事中に偶然発見されたという「臨淄中国古車博物館」へと急ぎました。館内は春秋車馬展示ホールと天井の低い中国古車展示ホールに別れており、現在も高速道路の拡張工事中で騒がしい中、春秋殉場坑には戦車10輌と馬32匹が殉じられていました。発掘当時、馬車の木部車輪は複製品との噂もあったそうですが、徐先生の話では自然の土と木部土の微妙な違いがあり、何カ所か失敗した形跡もありました。

中国古車博物館


午後5時、一行はここで2日間お世話になった臨淄文物局の呉先生とお別れをし、臨淄から南へ約30キロの青州市へと向かいました。午後5時半、ホテル「青州青都国際大酒店」に到着し、チェックインを済ませて、午後6時半からホテル内のレストランでの徐先生とは最後となる夕食タイムでした。
ここでも徐先生及び路先生に感謝の意を込めて白酒で乾杯しました。宴席では今回のツアーで話題になった“盗掘”や“母系社会”の話から、何故か高齢化社会の到来による日中両国の“年金問題”で大いに盛り上がりました。午後9時前後、和やかな内に夕食を終え、この日のお開きとなりました。

夕食



 「山東省の古代遺跡を訪ねる旅」 報告

報告 1日目 出国・入国 & 「中秋節」

報告 2日目 「山東大学博物館」「山東省博物館」&「歓迎夕食会」

報告 3日目 「滕州大韩墓地」&「大汶口遺跡・大汶河、明石桥、民居」

報告 4日目 「泰山」「城子崖遺跡」「章丘焦家遺跡」

報告 5日目 「斉文化博物館」「斉国故排水道遺址」「殉場坑遺址」

報告 6日目 「青州市博物館」「駝山石窟」「青州古街」

報告 7日目 「青島市博物館」& 出国・帰国


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