連日の猛暑和らぐ晴れ時々曇りの朝。午前7時30分、集合場所となった羽田空港国際線旅客ターミナルの出発ロビーには遅刻者もなく、元気な様子で一行14名(北京から橋本清一理事が合流しての総勢15名)が勢ぞろいしました。団にとっては2年ぶりの訪中ながらも、旅慣れた一行は早々に搭乗・出国手続きを済ませ、午前9時25分発のNH1255便に乗り込みました。中国への日本人旅行客が激減しているにもかかわらず、同機(ボーイング787)はビジネスマン風の日本人とともに中国人や他の外国人でほぼ満席の状態でした。
同機は定刻よりやや遅れ、午前10時過ぎに羽田国際空港を離陸し、眼下に富士山を眺めながら日本海、朝鮮半島へと順調に飛行を続けました。機内食の朝食を済ませた頃には、一行は早朝からの疲れで仮眠を取ったり、テレビ映画を観賞したり、各自思い思いの時を過ごしている内に、やがて渤海湾の先に広大な中国大陸が見えてきました。
上空からはスモッグのような灰色の雲が漂う北京一帯の空でしたが、午後0時20分、同機が定刻通りに北京首都国際空港に到着すると、予想に反しての快晴、気温34度の蒸し暑い天気でした。急ぎ足で向かった入国審査では長蛇の列もなく、全員無事、入境を済ませました。無人シャトルを経て各自、託送荷物をピックアップし、大勢の出迎え客で混雑する到着ロビーへと進むと、今回の添乗員役の橋本理事と中国旅行社総社の全線ガイド・劉建軍さんが笑顔で一行を出迎えていました。お互いに再会の挨拶を済ませた後、劉建軍さんの誘導で専用バスに乗り込み、一旦、空港から約10分のところにあるホテル「北京国都大酒店」へと向かいました。
午後1時30分、早いチェックインを済ませた後、しばらくの間、夜の中国仏教協会への表敬訪問に備えての休憩タイムとなりました。当初の予定では、午後から北京市西城区にある「国家宗教事務局」と西城区阜成門内に位置する広済寺内の「中国仏教協会」を個別に表敬訪問することになっていましたが、8月も中旬になって中国仏教協会から、8月26日の午前中は、人民大会堂にて、全国人民政治協商会議主席の兪正声氏、中国国務院副総理の劉延東女史を迎え、全国の仏教関係者多数が出席して「中国仏教協会60周年記念式典」が執り行われ、午後からは「天下第一城」に会場を移して重要な「第8期第2回全国理事会」が開催されるとのことで、一行との表敬訪問及び会見はその会見場にて行いたい旨の連絡が入り、急遽、「天下第一城」へ赴くことになったものです。
午後4時30分、一行は身支度をして、先ずは北京市朝陽区にある「大山子芸術区」へと向かい、表敬訪問に備えて、早めの夕食となりました。大山子芸術区は「798芸術区」とも呼ばれており、1950年代初めに東ドイツの技術援助によって建設され、その後、他の用途に転用された工廠跡が集中している場所です。その中に芸術家のアトリエや中国や日本を始め外国から進出したギャラリーが多く立地しており、芸術家のコミュニティーということでしばしばニューヨークのグリニッジ・ビレッジ等と比較される有名な地区です。
午後5時、大山子芸術区の一角にある、北京の家庭料理で有名なレストラン「郭林家常菜」での早めの夕食タイムとなりました。早朝からの集合、出国、入境で慌ただしい第一日目でしたが、ホテルでの休憩後の身内だけの夕食とあって、一行は大変リラックスした様子でした。最初に持田団長から改めて今回の訪中団の結団式としてのご挨拶があり、山田理事長による乾杯の音頭に続いて、初参加の方々を含めた自己紹介がありました。表敬訪問前とあってやや控えめながらも、ビールと日本から持ち込みの「発酵水ボトル」?も登場して賑やかな初日の宴となりました。
午後6時30分、夕食を終えた一行は、夕方の帰宅ラッシュの渋滞の中、北京市東郊外にある「天下第一城」へと向かいました。「天下第一城」は北京市内から約80キロ、車で約1時間半の河北省香河県に位置し、明・清の頃の北京城内を再現した民間の観光名所となっています。広大な敷地面積は133.3万平方キロ、建築面積38万平方キロあり、中央には国際会議場とホテルが聳え立ち、敷地内には各種スポーツ施設やゴルフ場の他に、五つの観光地、88の景観から成り立ち、四季を通して大勢の利用客で賑わっています。
午後8時15分、真っ暗闇の中に浮かび上がった超豪華な「天下第一城」のゲートに到着した一行は、中国仏教協会国際部副主任の李賀敏氏の出迎え・先導で会議場へと向かいました。会見場前では国家宗教事務局副局長の蔣堅永氏、中国仏教協会会長の伝印法師、副会長の学誠法師、副秘書長の張琳氏、国際部主任の普正法師はじめ、多くの仏教関係者の暖かい出迎えを受けました。双方の要人紹介があった後、先ず伝印会長から日宗懇の永年に渡る中国との友好親善への多大な貢献に対する感謝の言葉とともに、今回は日程が60周年記念事業と重なったため、充分なもてなしができず大変申し訳ない旨の話がありました。
持田団長からは表敬の挨拶とともに、日宗懇のこれまでの永年に渡る交流事業の紹介があり、昨今の日中間での難しい問題を抱えつつも、両国の仏教界が今後とも互いに協力し、友好親善に努めたい旨の挨拶がありました。次いで、国家宗教事務局副局長の蔣堅永氏は、日宗懇が60年来終始変わらず、両国仏教の友好交流と両国人民の友情促進に果たしてきた重要な貢献を賞賛するとともに、今回の来訪は特別な意義があり、国家宗教事務局としては、これまでと同様、中国仏教協会と日宗懇の交流事業を更に強化すること支持し、両国仏教の伝統と法誼を増進、深化させ、両国の友好関係の発展に新しい貢献を促進させる旨、力強い表明があり、日宗懇に対する中国側の絶大なる信頼と期待の表れが伺われました。最後に記念品の交換が行われ、伝印会長及び学誠副会長からは訪中団一人一人にも記念品が贈呈され、記念撮影をもって予定を約30分オーバーしてのお開きとなりました。
≪参考≫国家宗教事務局のHPに掲載された関連記事
http://www.sara.gov.cn/xwzx/xwjj/21826.htm
http://www.sara.gov.cn/xwzx/xwjj/21813.htm
http://www.sara.gov.cn/xwzx/xwjj/21770.htm
http://www.sara.gov.cn/xwzx/xwjj/21772.htm
http://www.sara.gov.cn/xwzx/xwjj/21804.htm
午後9時30分、今回の訪中団の最大目的の表敬訪問を終えた一行は、中国側の想定以上の暖かい持て成しに満足を覚えつつ、関係者に見送られながらライトアップされた「天下第一城」を後にしました。北京市街に向かう環状六号線の交通渋滞と高層マンション群の夜景が広がる中、一行は疲れからの眠りに誘われながら「北京国都大酒店」へと急ぎましたが、運転手の判断による超安全運転のためか、午後11時10分の遅い到着となりました。早朝からの強行日程に、一行はさすがにこの夜はお疲れのご様子でした。辛苦了!
1日目 「中国仏教協会」&「国家宗教事務局」表敬訪問
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