弊社創業1周年記念「早稲田大学・特別講演会」のご報告

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弊社創業1周年記念「早稲田大学・特別講演会」のご報告

「西周王朝の考古学的探究――周公廟及び周辺地区の発掘から」


講師: 北京大学考古文博学院教授・徐 天進 氏
     (通訳:早稲田大学文学学術院教授・稲畑 耕一郎 氏)
主催: 日本中国考古学会
     早稲田大学中国古籍文化研究所
     早稲田大学中国語中国文学研究室
日時: 2009年10月3日(土)16:00〜18:00
場所: 早稲田大学戸山キャンパス36号館481教室

徐天進氏

▲徐 天進氏



2009年10月1日に開催された弊社の創業1周年記念イベントに、特別ゲストとしてお招きした北京大学考古文博学院・除天進教授の「特別講演会」が10月3日、早稲田大学戸山キャンパスにて開催されました。今夏、毎日エクステンション・プログラムの一環として開催が予定されていた「北京大学・サマーキャンパス2009」が、諸般の事情により延期されたことに伴い、当初予定されていた北京大学における特別講義を、日本の早稲田大学に会場を移す形で開催されたものです。

会場には早稲田大学をはじめ、日本中国考古学会の専門家や研究生に、一般の考古学ファンを混じえた約30名が集まり、2004年2月に結成された陝西省考古研究所と北京大学考古文博学院による周公廟考古調査隊の野外活動状況及び最新の研究成果について、詳細なスライドを使っての除教授の講演を熱心に聞き入りました。

会場の様子

先ず、「周公廟遺跡の考古学的な背景」と題して、歴史学及び考古学の観点から説明があり、周公廟遺跡本体についての系統的かつ緻密な調査とともに、その周辺の関連遺跡についての調査の結果、周原地域の西周ないし先周時代の集落分布状況や社会・文化の発展状況について、理解を深めることができたこと。

次に「2004年以来周公廟遺跡の考古調査」と題し、2008年末までに行われた地面調査、ボーリング及び発掘調査で得られた一連の考古学的な成果について、墓地、居住跡、作坊跡、周辺の4つの分野に分けて詳細な説明がありました。

中でも墓地については、1000基近い西周時代の墓の中でも、遺跡北部にある大型墓群・陵坡墓地の発見が最も注目されており、4本、3本の墓道や車馬坑を持った墓は、これまでに発見された西周時代の墓地の中でも最高級クラスのもので、墓地の東、西、北の三面には外周を取り巻く版築壁も発見され、陵園の囲壁の可能性があるとのことでした。

会場の様子

最後に「周公廟の西周甲骨」と題し、2003年12月に偶然発見された一片の小さな刻辞卜甲55文字から始まり、2008年末までの卜甲と卜骨の発掘状況とそれまでの研究成果について、海外初公開という多数のスライド写真を使用して説明があり、参加者はリアルな発見現場と甲骨に刻まれた一字一字の解説に耳を傾けました。文字そのものは、人物、方国、祭祀、戦争、紀年歴法、占梦、卜辞格式、数字等に分類されるとのことでしたが、発見された甲骨の多くは数ミリ単位の膨大な小片で、刻みも薄く、拓本にも取れない状況で、判読作業の困難さを窺い知ることができました。

また、周公廟遺跡の周辺にはまだまだいくつかの時代の遺跡群が分布しており、これらの遺跡と周公廟遺跡との関係解明については、更なる調査と研究が必要とのことでした。その後、参加者との間で、周公廟遺跡から発掘された遺物の年代や周原地域と周公廟遺跡の関係等について、熱心な質疑応答がありました。

会場の様子

以上、専門的な内容につきましては関係者に譲るとして、今回の特別講演会では、中国五千年の歴史を学ぶ一環として、「殷墟」の発見以来、一世紀ぶりの大発見として世界中から注目されている「周公廟遺跡」の最新の発掘状況及び研究成果について、発掘責任者の立場から大変貴重なお話を伺うことができました。ここに謹んで、除天進教授に対し、心より御礼申し上げます。

参考データ

 【1】 周公廟の謎解明に期待、甲骨文字片のつなぎ作業進む

(2005年1月31日・チャイナネット)

周公廟の発掘作業に携わる考古学チームは、甲骨文字断片のつなぎ合わせ作業を現在進めており、周朝の磁器は青銅器に匹敵する価値があるほか、18号墓の発掘作業を3月初めに再開することなどを明らかにした。歴代の王朝のなかで唯一、西周の天子の墓の位置だけが不明のままで、これまで1基も発見されていなかったことから、昨年10月に陝西省で始まった周公廟墓群の発掘作業には内外から熱い視線が注がれている。北京大学考古文博学院の徐天進教授は「寒冷のため、周公廟18号墓の発掘はすでに停止した。32号墓は先ごろ発掘作業を完全に終えて現在、甲骨文字断片のつなぎ合わせを進めている」と語った。
徐教授によると、発掘作業中に数百個の甲骨文を発見したが、殷墟とは異なり、いずれも砕かれた甲骨文だった。現在、その断片のつなぎ作業が行われており、上面の文字から歴史研究や古学的価値のある発見が期待できるという。18号墓の発掘は3月初めにも再開する予定で、近い将来、この墓群が周王のものであるかどうかとの謎が解明される。
32号墓からは760片の原始的な磁器の断片が見つかった。西周の考古学調査では希な発見で、接合すれば20個を上回る磁器が再現されるという。専門家によると、西周墓で陶磁器が出土するのは極めて珍しく、その価値は青銅器に勝るとも劣らない。西周時代に北方地域で使用されていた陶器は、南方から運ばれてきたものではないか、北方でも原始的な磁器を生産できたのかなどについては、学術界ではいまでも論争が続いている。徐教授は「今回大量に出土した黄緑釉の陶磁器は南方ではめったに見られないため、北方地域でも原始的な磁器を生産できた可能性がある」と予想している。

 【2】 周公廟遺跡で甲骨文字出土 500字近く判読

(2005年2月15日・新華社)

陝西省岐山県にある西周時代の王の墓とみられる周公廟遺跡で出土した760片余りの亀の甲羅や動物の骨の整理、研究が進み、刻まれている495の文字が判読された。出土当時に判読できたのは410文字で、85文字増えた。「商周考古学の第一人者」と呼ばれる著名な考古学者の鄒衡・北京大学教授は「これら西周時代の甲骨文字の発見は周の文化研究に極めて大きな意義がある」と強調した。03年12月14日、北京大学の徐天進教授が周公廟付近でのフィールド調査で、文字が刻まれた占い用の亀甲2片が見つかり、判読できたのは55文字だった。この大きな発見は学術界から注目された。国家文物局の承認を受け、陝西省考古研究所と北京大学考古文博学院が合同で周公廟考古学調査チームを結成し、大規模な調査、掘削、発掘を行い、重要な成果をあげた。西周時代の最も高いクラスの墓22基が発見され、占いに使った亀甲など760片余りが出土した。鄒教授は「この発見の学術的意義からいって、20世紀の河南殷墟遺跡の発見に匹敵する」としている。

 【3】 西周時代の甲骨7000片発掘、甲骨文字1600字を確認―陝西省

(2009年1月21日・新華社通信電子版)

新華社通信は、陝西省岐山県で発掘が続けられていた周公廟遺跡から、これまでに7000片にのぼる西周(紀元前1046年頃〜紀元前771年)時代の甲骨片と甲骨文字1600字が見つかったと報じた。2008年9月から12月までに陝西省考古研究院と北京大学考古文博学院が合同で行った発掘調査で、占いに使用された甲骨(卜甲)7000片余りが出土。そのうち688片に文字が刻まれており、識別できた甲骨文字は1600字以上にも及んだ。西周時代の甲骨文字としては中国の発掘史上最多の発見となった。
陝西省考古研究院の種建栄(ジョン・ジエンロン)副研究員は、甲骨片に周王を示す「王季」「文王」「王」などの文字が刻まれていたと説明。そのほかにも当時の有力者「卒公」の名や「周」の文字、戦いや祭祀に関する文が判読できたほか、月相や数字に関する文字も多く彫られていたという。周公廟遺跡の発掘は2004年に始まったが、今回の発掘以前に500あまりの甲骨文字と多くの建築物遺跡が発見されており、西周初期の貴重な歴史遺産として国内外から熱い注目を集めている。




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