「この学校では、511人の生徒たちのうち43人が奨学生です。以前は、経済難のため家族のために働き、学校へ毎日来ない子どもたちが多かったのですが、奨学金を受けるようになってからは親たちが教育の大切さを理解し、学校に行かせる時間を作るようになりました。親たちも子どもを卒業させられることを嬉しく思うになりました。
カンボジアではやはり学校を卒業していないと職を見つけることはとても難しいのです。でも親たちは、周りで学校を卒業してよい職に就いた人たちを目にして、自分たちの子どもを卒業させたいと思うようになったのです。私の時代は7年生を修了する人はほとんどいなかったのですが、今の子どもたちは卒業するようになりました。新しい時代ができて来ています。奨学生の選定の段階で子どもたちにインタビューするのですが、みんな医者や弁護士、先生など高い目標を持っています。実際にこの学校の卒業生のうち15名はNGOで働き、15人は先生になっています。奨学金という存在は親が子どもに『学校に行きなさい』 ということにつながっています。」
この度は、民際センター・カンボジア事務所の活動場所への訪問の機会をいただきまして本当にありがとうございました。カンボジアで活動するNGOなど、カンボジアでの教育状況についての情報を耳にする機会は多かったものの、今回実際に訪れ、話を聞き、目にすることは、イメージよりもずっと鮮烈な印象を与え、感動や衝撃を与えるものでした。
「家族を支えるために働き、学校に行くことができない」と文章にすることは簡単かもしれません。でも実際にその村で子どもたちに会い、きらきらした瞳と嬉しそうな笑顔を見るとどれだけ学校に行きたかったかが伝わって来て、胸が熱くならずにはいられません。年齢を聞くと、小学生であっても14歳や17歳などの答えが帰ってくることは多く、小学校でさえ行くことが難しい現実を実感しました。年を聞くと「17歳」と答えが返ってきてびっくりしたこともあります。間違いかと思い2度も聞き直してしまいました。年齢より若く見える子どもが多かったのが正直な印象です。
現地事務所のChandyが「教育より明日食べることを気にしなければ行けない村の現状」と言っていた意味が分かる気がしました。子どもたちは、奨学生になれたことを心より喜んでいて、何度も「ありがとう」と言ってくれました。親たちも「一生懸命頑張ってほしい。勉強をしたら仕事も希望があるから」と話し、親子共々、教育によって得られる未来への希望に溢れていました。
教育は時間がかかるものです。教育の価値が分かるのは何年も、何十年も後になってからかもしれません。実際に私が分かったのは社会人になってからでした。その話を子どもたちにもして、この気持ちを大切にずっと頑張っていってねと話しました。
ずっと支援していくことは忍耐力が必要だと思います。でも、今回現地を訪問して、毎日エデュケーションさんがずっと続けてきた活動がもたらす希望、そして継続して来た結果が子どもの学習成果にも、更には人柄にも現れていることを実感しました。子どもたちにこのような希望を、機会を与えてくださり、本当にありがとうございます。
私もできることを始めようと決めました。カンボジアの子どもたちがこれからもっともっと希望に溢れ、教育の機会を手に入れ、幸せな生活を手に入れることを願ってやみません。
また、現地の事務所で働くスタッフ3名の仕事への思いを聞いたとき、胸がぐっとなりました。みんなそれぞれのつらい過去を抱え、そこで感じた思いを胸に子どもたちの未来のために懸命に取り組んでいます。さらに今回の私の訪問準備をとても入念にしてくださっただけでなく、私の滞在もいつも気遣ってくださり、このような心配りにも感激してします。
日本・カンボジア双方の民際センターさんの活動への敬意と感謝とともに、ずっとこの活動を支援していらっしゃっている、そしてその活動の場を訪れる機会をくださった毎日エデュケーションさんに改めて感謝いたします。この度はこのようなすばらしい機会をいただき本当にありがとうございます。
[2] 奨学生名に5インタビュー・・・好きな科目、夢、メッセージ
[3] 校長先生インタビュー&藤沢さんのメッセージ